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無料でVR-HMD!新旧SUUMOスコープを比較する

 はじめに

世の中には、2種類の人間が存在します。それは、VRを体験した人と、していない人です。VRが爆発的に普及しない理由の一つには、まだ体験する場所が限られてること、そして体験したとしてもHMDにお金をかけるのにはまだ抵抗があることが挙げられると思います。実際、Google Cardboardタイプのものだと、500円でも高いと言われたこともあります。価格に見合うコンテンツ・UXを提供することと、コストを下げることの両面が必要ではないでしょうか?

無料のHMD

(株)リクルートホールディングスから無料で頒布されている「SUUMO 新築マンション」には、新築マンションのバーチャル内覧用にCardboardタイプのHMDが付属しています。Cardboard互換とは公式に謳われていないと思いますが、Cardboard用のアプリやYoutubeのSide by Side動画の鑑賞にも使用することができます。

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目がついてる!

SUUMOスコープの魅力として、目をあしらった特徴的なデザインが挙げられます。まだVRが認知されていない現状では、HMDを装着している様子は、端から見るとまだまだ違和感があるものだと思います。しかしSUUMOスコープならば、装着者をコミカルに演出し、違和感を緩和してくれるように感じます。

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2015/9月版と2016年/2月版の比較

SUUMOスコープは、SUUMO新築マンション誌に毎号付属しているわけではありません。はじめて付属したのが2015年9月、そして新たに現在配布中の号でも付属しています。

2015/9月版(以後、旧版と呼称)と2016年/2月版(以後、新版と呼称)で何が変わったか、比較してみましょう。

 

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まず、正面から見た写真です。左が旧版、右が新版となります(写真の配置は以下同様)。デザイン・サイズともに、特に大きな違いは見られません。

 

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上面から見た写真です。スマホ装着部から接眼レンズまでの距離が遠くなり、額を当てつける面の曲率が緩くなっているのが分かります。旧版は眼鏡をかけたまま装着できない難点があるのですが、残念ながら新版でも改良はされていませんでした。

また、新版は「天面」表記やスマホ落下の注意喚起など、注記が充実しているのが分かります。

 

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 右側面の写真です。ここにもスマホ落下の注意喚起があります。よほど旧版でスマホが落ちたというクレームがあったのではと、勘ぐってしまいます。

 

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下面の写真です。スマホ操作用の穴の仕様説明が追加されています。

 

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 裏面です。接眼レンズの構造が大幅に変更されているのが分かります。また上下の表示が追加されています。

 

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 接眼部のパーツ単体を、裏側から比較します。旧版はプラスチックの単レンズを段ボールで挟み込んで保持していました。挟み込んでいる段ボールの穴同士の同軸度が悪く、レンズが脱落しそうな構成です。また、製造時の組み立ても大変な気がします。

一方で新版では、フレネルレンズにして両眼を1部品で構成し、段ボールに貼り付けるだけの構造です。部品単価の軽減と組み立て工数・コストの削減、信頼性の向上が実現できているのではないでしょうか。

 まとめ

HMDを無料配布する上で、まず気になるのは製造コストです。SUUMOスコープは世代を経て、着実にコストダウンを実現してきているように感じます。

また、装着・操作方法の注記が増えたのも好感がもてます。

HMDの無料配布で新しいVRビジネスを拓くSUUMOスコープの動向に、今後も注目していきたいと思います。