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Gear VRに個性と愛嬌を!HMD用デコレーションシールの製作

 

 はじめに

前回のSUUMOスコープの投稿でも触れましたが、現状のVRHMDは無機的なデザインのものが殆どです。HMDを装着している様子は、冷静に見るとかなり違和感があります。いくつか原因はあると思うのですが、まず端的に言って、可愛くないのです。

また、Ocufesなどのイベント会場で、皆が同じようなOculus DK2やGear VRを使用しているのは、無個性で面白みに欠けるような気がします。

そこで、 まずはGear VR(製品版)をターゲットに、手軽にデコレーションをするためのシールを自作してみました。 

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試作デザイン

SUUMOスコープのような、目をあしらったデザインを狙ってみました。これは仮説ではありますが、鳥害よけの目玉バルーンやモスラの羽の模様のように、眼球状のデザインには生物を本能的に惹きつける魅力があるのではないかと思うのです。

また、世間的にはOculusブランドの知名度は徐々に高くなってきている印象なのですが、「Gear VR って オキュラスなの?」と聞かれてしまうことがあります。 

すなわち、デザインのコンセプトとして、以下の通り掲げてみました。

  • 有機的なイメージ
  • 眼球をあしらった、顔のようなイメージ
  • Gear VRはOculusだと主張すること

VRで眼球といえば、Oculusの旧ロゴが印象的な存在です。このロゴを拝借して2つ並べて、顔に見立ててみました。また、南国の祭事に使用するお面のイメージで、背景をあしらってみました。

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デコレーションシールの作成手順

今回は、Gear VR(製品版)のカバー前面にシールを貼ることにします。工程は、以下の通りです。

  1. カバー前面形状の型どり
  2. Illustratorでのデザイン製作
  3. シール素材への印刷
  4. カッティングマシン(Craft ROBO)での切り抜き
  5. 貼り付け

順を追って、簡単に説明をしていきます。

1.カバー前面形状の型どり

トレーシングペーパでカバー前面形状をなぞり、それをスキャンします。後工程でカッティングマシンで切り抜くため、Illustratorでトレースをして、ベクターデータとして扱えるようにしておきます。

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2. Illustratorでのデザイン製作

Illustratorでデザインを作成していきます。所有しているカッティングマシンであるCraft ROBO CC330-20のプラグインが、最新のIllustrator CC 2015では非対応のため、仕方なく旧バージョンのCC2014を使用しています。

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3. シール素材への印刷

家電量販店やネット通販で、家庭用インクジェットプリンタで使用可能なシールが販売されています。シールには様々なタイプが存在するのですが、今回使用したのは、A-ONEの「ピッタリ貼れる 伸びるラベル A4」というもので、シール自体が伸縮性を持っているので、曲面でも皺にならずに貼れるという特徴があります。

このシールを使用するうえで注意すべきは、「染料インク専用」という点です。インクジェットプリンタで使用されるインクには、大別して染料と顔料があり、現在の主流は顔料となってるようです。両者はインクの特性に違いがあり、このシールには染料インクしか対応していないのです。

染料インク対応のプリンタはいくつかありますが、自分はキャノンのMG6130という複合機を使用しています。

 4. カッティングマシン(Craft ROBO)での切り抜き

シンプルな形状なので、普通のカッターで切り抜いても構わないのですが、面倒なのでカッティングマシンを使います。カッティングマシンは、ペンプロッタのペンの代わりに、カッターの刃がついているような機械です。説明は省略しますが、段取りコミで、モノの数分で自動的にシートをカットしてくれます。数万円で購入できる割に、いい仕事をしてくれるので、興味がある方にはお勧めです。

5. 貼り付け

Gear VR(製品版)のカバー前面に、作成したシールを貼り付けます。シールの位置決めが難しく難儀しましたが、今回使用したシールは何度も貼り直しができるものでしたので、納得いくまでトライアンドエラーを繰り返しました。

 

あとがき

今後も色々なデコレーションシールを作成してみたいです。たとえば、ユニティちゃんの顔になるものとか、ロボコンみたいに目がクルクルアニメーションするとか。

HMD界がより可愛く、より個性的に進化していくことを願っています。